MSB D/Aコンバーター Mestro EDITION

2001/4/2

Maestro氏から、D/Aコンバーター「MSB Link DACU」のスペシャルエディションをお借りしました。

今年の1月ごろから例によって、Pantymanくんからアナウンスをいただいており、興味をもっていました。

Pantymanからのアナウンスの内容はこちら

MSB Technorogyの公認エンジニアによるチューンド版のようです。ベースになったのは同社のLink DACUです


本体と電源ユニット。天板は「MSB」って文字の放熱穴があります

どうやら単にDACのチップを取り替えたとかではなく、高品位なパーツ投入や電源ボックスを外付けにしたりなどのアプローチのようで、さらにMaestor EDITIONでは、電源を着脱式にかえてあります。

ちなみに、このモデルは96KHzまで対応しているのでDVDとつないでみるのも面白いかもしれません。

インターフェースは・・・・

  • アナログアンバランス(まだ試していませんがスルーかな)
  • デジタルCOAX & TOS
  • 出力は、アンバランス1系統のみです


32、44.1、88.2、96KHzに対応、(右)/右のS端子みたいなのは専用電源用(左)

Maestroさんがすでに試聴報告されているので、こちらからどうぞ
http://www.ylw.mmtr.or.jp/~maestro/products.htm

Maestroさんおっしゃるには、かなりのC/Pで、30万〜50万程度のDACに比肩するとのことですが、私としては、単体DACの試聴そのものがはじめてなもので、たいしたレポートはできませんが、以下ご報告です

比較の対象は、NakamichiのAVアンプ搭載のD/Aコンバーター(△Σ方式)です。AVアンプなので、当然プリ部はナカミチの回路を通ります。

bebe'sの普段の環境は

CDT :SONY X5000
DAC&CA:Nakamichi IA-1z
PA:エアボウ リトルプラネット

デジタルケーブルは、MIT DigitalReference、インターコネクトはS/Aラボ HIGH-END MWT PLUSです。電源ケーブルは、X5000、IA-1zともMITのZcodeUで、リトルプラネットはbebe'sオリジナルブレンドケーブルです。

SPは、PMCのFB1をS/AラボのHI-END HOSE3.5SPのバイワイヤです

ここに、今回のMSBの試聴にあたっては、DACまでは同等条件でつなげるのですが、そこからNakamichiをプリとして経由するか、直接リトルプラネットにつなぐかという選択肢がありますが、

今回はMSBから、リトルプラネットにS/AのMWTで直につないだものとの比較とします。ちなみにMSBの電源ケーブルは、X5000の付属ケーブルにしました。

試聴に選んだディスクは、この6枚

バイオリン、チェロとピアノのbebe's特選版

「悪魔のダンス/シャハム」より悪魔のダンス 
「ラルゴ/藤森亮一」アヴェ・マリア(カッチーニ)
「ツィガーヌ/ジョンチャヌ」よりツィガーヌ

ボーカルとバックのチェックに

「Don't smoke in BED/ホリー・コール」よりテネシーワルツ
「HERE'S TO BEN/ジャシンタ」よりDANNYBOY
「HELL FREEZES OVER/イーグルス」よりホテル・カリフォルニア

で試聴報告です。

「悪魔のダンス」は、この手の演奏としては異例の鋭いバイオリンと力強いピアノが特筆もので、センター定位するVnのキレとピアノの倍音がどうミックスされて再生できるかといったところですが、ナカミチが輪郭をかっちり表現するのに比べ、MSBは、バイオリンがやや上方かつ前方に定位し、響きが豊かになります。
ピアノの響きも同様で、手前にせまってくる臨場感があります。
かといってX5000のアナログアウトのようなのぺっとした音場展開ではなく、奥行き方向にも音場が広く展開し、細部の輪郭もきっちり描いてくれます。ただ、音量をあげていったときに、浮き上がってくるナカミチの独特の切れ込みも私的評価は高く、このディスクについては甲乙つけられない結果となりました。5:5で引き分け

「ラルゴ」は、マイスターお得意のワンポイントのホール収録で、独特の響きが特質的ですが、ナカミチできくとややいまひとつ録音のよさが引き出せない感じなのですが、MSBの音の広がりというか、柔らかさがベストマッチしてくれる印象です
このソースについては8:2でMSB

「ツィガーヌ」の冒頭のソロ演奏の迫力とキレは、なかなか引き出すのが難しいと思うのですが、MSBはうまくホール感を引き出して、まとめてくれます。ナカミチは、やや音が細身ですが、私の大好きなバイオリンのキレについては、いい感じです。ピアノのパートが加わったときの、甘めながら響き豊かなピアノはMSBはうまい。よってこれは9:1でMSB

・・・だんだん文字にするのが面倒になってきました

こんどはボーカル

「テネシーワルツ」はMaestroさんと共通の愛聴盤。ホリーコールのJAZZYな世界とハーモニカの音で評定。

低音量〜中音量では間違いなく、MSBがうまい!これは凄いね。FB1が、ソナスになったよう・・あるいは、ナカミチをHUBBELのコンセントに例えるならば、MSBはLEVITONとWATTaGATEの中間といった感じかな?とにかく、ホリーのボーカルとハーモニカのぞくっとくる音場は特筆ものです。音量をあげていくと、部屋の響きとのバランスもあり、ナカミチの音が俄然よくなってきます。おそらく、普通の家庭では夜中には鳴らせない音量域では、ナカミチDACが△ΣDACのよさを引き出してくれます

「DANNY BOY」も、おおむねテネシーワルツと同様。ただジャシンタの場合、S/Nの点でナカミチのプリ部のノイズが気にならないでもありません。ホリー・コールと違い、淡々としたなかにあるジャシンタの声やブレスの可愛いお色気は、どちらも甲乙つけがたい。ソロパートが終わってバックが加わるとMSBがうまくいい感じで包み込んでくれます

「ホテルカリフォルニア」ライブ盤です。でだしのギターの厚みと響きの豊かさ、実在感は圧倒的にMSBが凄い!さらに、観客の拍手や歓声の広がりも未知の領域です。バスドラは、やや響きすぎの気もしますが、このMSBの音が本来の音色なのかもしれないなと思います

私なりの判断では、ナカミチのDACの音が、音の芯を切れ込み深く表現しながら、そこから響きがあるというのに対し、MSBの場合は、まずアコースティックな音場があって、その奥に、音像が立体的に解像度を保ったまま音源が見えるような印象です

ただ、今回のMSBはまだ、電源ケーブルやセッティングなどもほとんど配慮していない状況であり、これを追い込めばさらに面白くなりそうな可能性を充分に感じました

一方で、MSBのオリジナルを聴いたことがないものの、パーツや電源の追い込みで、音がかわるのであれば、ナカミチにも手を入れることによって、また違う領域にいける可能性も感ずるわけで、こりゃどうしたものかと思案してしまいます。